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あなたの高血圧 原因は加齢・ストレスだけ?

当ホームページをご覧のみなさまへ。
こんにちは。しんかなクリニック院長の片岡です。
 
5月も後半にさしかかった所で近畿・四国では統計開始以来となる梅雨入りとなりました。大阪を始め一部地域では緊急事態宣言で外出がしづらい状況です。さて本日は糖尿病やコロナウィルス/コロナワクチン接種の話題は一旦横におき、高血圧についてのお話をさせて頂きます。
目次
  • 高血圧症は大きくふたつ:本態性と二次性について
  • 二次性高血圧で最も頻度の高い原発性アルドステロン症
  • 最後に;血圧を測る際の方法・注意点
 
高血圧症は、大きくは2つ
体質的(親が高血圧である等の遺伝的な)要因と他の様々な要因が加わり発症する「本態性(ほんたいせい)高血圧」
と、
腎臓疾患や内分泌異常、心臓や血管の異常などが原因で起こる「二次性高血圧」に分けられます。
 
まず、本態性高血圧は全体のうちの約90%を占めるもので
高血圧になりやすい体質や遺伝的素因といった先天的な要素
塩分の取り過ぎ・喫煙(→共に長期にわたると血管の柔軟性が失われる)・過度の飲酒・運動不足・ストレスや加齢などの後天的な要因
が加わることによって引き起こされる と考えられています。
また肥満によって血圧を調節するホルモンや自律神経の働きが乱れる事も血圧が上昇の原因になります。
この「その人の生活習慣が発症に大いに関係」「全体のうち約90%を占める」という点では2型糖尿病と成因が非常に近いものがあります。残る10%を占める二次性高血圧の一つで、特に頻度の高いものとして原発性アルドステロン症があります。
 
原発性アルドステロン症(PA)
全高血圧患者の5〜10%を占める二次性高血圧の最大の疾患が原発性アルドステロン症(PA)です。これは左右の腎臓のそれぞれ上方にある副腎という臓器から出てくるアルドステロンというホルモン(体内の塩分を増やすし血圧を上げる作用を持つ)が何らかの原因で過剰に分泌が起きる事が原因で塩分を摂り過ぎていなくても血圧が上昇してしまいます。この疾患の拾いあげ(以下、スクリーニング)は一般的には若年発症や低カリウム血症、副腎腫瘍を呈する際に行われることが多いと思われていました(院長が学生時代はそのように習っていました)が、その後の調査において、原発性アルドステロン症でこれらの古典的徴候を認める者はむしろ少数であり、その多くは本態性高血圧と一般検査では判別が困難とされています。
 
しかしながら、原発性アルドステロン症は本態性高血圧に比べ動脈硬化が早く進行し、脳・心血管疾患・腎臓病などが早期から発症しやすいのですが、近年は適切な診断(負荷試験での診断確定・画像検査での病変の絞り込み)や治療介入(ホルモンの抑制ができる薬物治療や切除可能例であれば外科的手術での根治術)が可能になった事により、これらのリスクが軽減させることが可能になったことから積極的なスクリーニングが望まれる疾患です。

PAまとめ

  • 本邦に全部で4300万人いると推定されている高血圧症患者うち5〜10%を占める。
  • 古典的兆候である低カリウム血症や副腎腫瘍を認める症例は実は少数。 
  •  →実は多くの原発性アルドステロン症の患者さんが本態性高血圧症としての治療に留まっている現状。
  • 年齢・血圧が同等の本態性高血圧に比べ脳・心血管病の発症リスクが極めて高い事が判明。
  • 適切な診断・治療により効果的な治療方法が選択可能である。

従来のPAのチェックポイントである

  • 降圧剤と同時に経口のカリウム製剤の補充をされている方(低カリウム血症が合併している可能性)
  • (健診などで)副腎腫瘍を指摘された方
に加え、新たにPAを疑う所見としては
  • 若年で高血圧を発症した方(肥満の有無は問わない)
  • 40歳以下で脳血管障害を発症した方
  • 2度以上の高血圧(160/100mmHg以上)の方、また利尿剤を含め3剤以上の内服治療をしていても血圧がなかなか下がらない方
  • 睡眠時無呼吸症候群を合併している方

が挙げられます。上記に1つでも当てはまる方は、採血検査でのホルモンチェックが望ましいとされています。

家庭における血圧測定の方法

最後に診断と同時に血圧測定の方法として、1日に2回 朝(出来れば起床後1時間以内、服薬前、食前、排尿<後>)と夜(就寝前)の測定が望ましいとされています。静かで適正な室温環境で、椅子に座った後1〜2分の安静後に測定するようにし、朝・夜それぞれの測定値7日間(少なくとも5日間)の平均値を血圧の指標にします。また、測定前に血圧を上げるような行為:喫煙や飲酒・(コーヒー等の)カフェイン摂取を行わないことも重要とされています。

 
今後とも、しんかなクリニックをどうぞ宜しくお願い致します。

しんかなクリニック 内科・糖尿病内科
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