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こんにちは。しんかなクリニック 院長の片岡です。
新型コロナウィルス陽性者は今もって増加が続き、大阪府では新規陽性者数は1000人台が続き、自宅での療養者が1万人近くにのぼるという事態にも直面しております。堺市の近況については広報誌(広報さかい5月号)に記載されております。そんな中、この5月1日に当市では政令市で初めての新型コロナウイルスの集団接種が開始となりました。またワクチン接種会場については、前述の広報さかいと同時配布された新型コロナワクチン接種会場のしおりに記載があります。コロナワクチンについては前回ブログにも記載しておりますので、併せてご覧いただければ幸いです。
変異型ウィルスは元より、新型コロナウイルス感染症においては、注意をしなければならない人として高齢の方などとともに、糖尿病患者さんがあげられることがあります。糖尿病(治療を開始していない/中断している場合も含み、血糖コントロールが良くない場合)は、一般的に感染症が重症化しやすい疾患として挙げられています。世界各国から調査結果が報告されており、日本糖尿病協会のHPには糖尿病と新型コロナウイルス感染症の関係についてまとめられております(詳細はこちら)。
自粛生活を送る上で一番直面しやすいのが体重コントロールについてですが、アメリカでの調査では予想を上回る深刻な実態が明らかになりました。アメリカの25歳から42歳までの世代3013名を対象とした調査では、コロナウィルスの流行以前と比べて意図せず体重が増加したと回答した人の割合が約7割に上り、平均で約18.6kgの体重が増加した と米心理学会から報告(1)されました。自宅で見る体重変化がほぼ無かった場合でも注意が必要なのが、筋肉が落ちても脂肪が増える場合がある事です。実際には多くの人で筋肉量の低下+脂肪の増加が見えないところで進行したものと思われます。
当院にある院内機器InBodyでは全身の部位別の筋肉量が測定可能で、測定できる方では体組成検査を実施して皆様にお伝えしておりますが、高齢者の方を中心に(ステイホーム)を地で行くように「外に全く出ていません」と仰られていた方では、大なり小なり足の筋肉量低下が認められていました。
一方でこのコロナ禍の中でも体重・筋肉量の保持に成功している人もおられました。同意を頂いた何名かのInBody結果について、個人情報を消したものを院内に掲示させて頂いております。
これらの方に共通していたのが「食事」と「運動」の両方に注意して過ごされていた点です。それに付随して何点か注意する点を挙げますと
1)食事について
2)運動について
高齢者以外の方では、体重増加を防ぐには食べ過ぎ・飲み過ぎない事に尽きると思います。
高齢になると食事量が少なめに、特に副食となるおかずの摂取量が少なくなり、変わって炭水化物やお菓子類を好むようになる傾向になります。実はタンパク質の消化吸収そのものが身体のエネルギーを使うために身体に起きている一種の逃避反応とも言えます。しっかりと一定量をバランスよく、特に高齢者の方では蛋白質をとるようにしましょう。ほうれん草やレタスなどの硝酸塩が豊富な葉物野菜を多く摂取している人は、摂取していない人に比べて、高齢になっても筋力や身体機能が高いことが報告されました。筋力を高めたい人においては、葉物野菜を毎日摂取すると良い可能性があります(2)。
運動は肥満防止やストレス解消、さらに生活習慣病の予防・改善が期待できます。
心臓の病気や肺の病気をされている方は通常の方と同じ運動量が実施出来ない場合があります。運動前に主治医に「どの程度の運動なら大丈夫か」をご確認下さい。
「筋肉量を減らさない」事を重視する場合は、カロリーを取り出すべく筋肉が消費されやすい空腹時を避けて、食後の運動が望ましいとされています。
日本では一律に<ステイホーム>だけが声高に呼びかけられていますが、特に高齢者では在宅時間が長くなると短期間で筋力低下が認められやすい事から、イギリスではステイホームと同じタイミングで散歩が強く奨励されております。新型コロナウィルスに対するワクチンの接種もようやく始まりましたが、新型コロナウィルスへの注意はまだしばらく必要な印象です(ワクチンと同時に、治療薬にも期待)。
どうぞ身体にお気をつけてお過ごし下さい。
今後とも、しんかなクリニックをどうぞ宜しくお願い致します。
引用>
(1) American Psychological Association:Stress in America 2020: A National Mental Health Crisis
(2)The Journal of Nutrition:Dietary Nitrate Intake Is Positively Associated with Muscle Function in Men and Women Independent of Physical Activity Levels
しんかなクリニック 内科・糖尿病内科
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