しんかなクリニック

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血糖測定のその前 アルコール綿での手指消毒だけ で済ませていませんか。

当ホームページをご覧のみなさまへ。
こんにちは。しんかなクリニック院長の片岡です。

皮下注射製剤を導入されておられる患者様は、保険にて自己血糖測定(Self Monitoring Blood Glucose-SMBG・以下簡易血糖測定と表記)を行う事が1日あたり一定の回数が認められております。その際、アルコール綿で手指を消毒するように、指導をさせていただいております。実際、多くの方がその後もアルコール綿での清拭をされておられます。

ただ、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大により、マスクやトイレットペーパーに続き、手指消毒に使うアルコール消毒液をはじめとした衛生用品にも波及しだし、文字通り<玉突き>の影響で、普通の方にはあまりなじみのない消毒綿や医療用アルコール綿、カット綿にも、その影響が及びだしました。

現時点で当クリニックへのアルコール消毒面の供給は完全に止まっておりませんが、納入に時間を要する事態になっております。このため、お一人にお渡しする数を制限させて頂いております。また、臨時で購入した消毒面も混在しており、お渡しする枚数によっては以前の種類と異なる場合があります。何卒ご了承下さい。

 

お越しになった患者さんからも「今まで消毒綿も自作して使用していたが、切らしたために薬局に出向き、初めてこの事態がわかった。この状態がこのまま続けば、消毒なしでどうすればいいか」と相談をうけました。
ネット上にも同様の問題を記載された記事がアップされております(リンク許諾の問題あり、直接のリンクは控えさせていただきます)

 

結論から申し上げますと、
簡易血糖測定においてはアルコール消毒綿での清拭は必ずしも必要ではなく、石けん+流水で手を洗い綺麗なタオル等で拭いていただければ、消毒した時と同じくらいの効果が認められます(肌がアルコールに負けてしまいアルコール綿が使えない といった方に対しては石けん+流水の手洗いのみ、もしくはアルコール綿のかわりにノンアルコールのウェットティッシュ等で代用をお願いしたりしております)。

皮下への薬剤投与の際も同様で、毎日定期的に入浴をされている方ではアルコール消毒綿での清拭は必ずしも必要ではありませんが、今まで毎回消毒をされていた方だと心理的な抵抗もあるかと思います。まずは皮下注射の際には今まで通り清拭をして頂き、簡易血糖測定に関してはアルコール綿を使わない流水+石けんでの手洗い、をお話させて頂いております。

 

実は簡易血糖測定においては、果物や糖分が付着している食品をふれた後で手洗いをしない状態で測定を行うと、指先に付着した糖分が血液と混じり、時間経過に関係なく、血糖値が実際よりも高い値になる恐れが以前より指摘されておりました。院長が以前在職していた職場で、これらの簡易血糖測定における手指への果汁付着が及ぼす影響について検討した報告があります。結論を申しますと、手指への果汁が付着した状態では,手指から測定した血糖値(簡易血糖測定器で表示される血糖値)は肘静脈から測定した血糖値(採血結果用紙に記載される血糖値)と比較し、果汁の付着後3時間まで明らかに高値を示しており、アルコール清拭を行ってもその影響が回避できませんでした。

発表責任者の方に院内への掲載許可を頂きましたので、グラフをクリニック内に掲示しております。診察待ちの際に、一度ご覧頂ければ幸いです。

(8/17追記:院内掲示見直しに伴い掲載を終了しました。詳しくは院長にご相談頂ければ幸いです)

手洗いが出来る環境下においてはアルコール綿での清拭だけで と過信せず、石けん+流水で一度しっかり手を洗った後で、よく乾かしてから簡易血糖測定を行って頂きますようお願いします。

今後とも、しんかなクリニックをどうぞ宜しくお願い致します。

しんかなクリニック 内科・糖尿病内科
〒591-8025 大阪府堺市北区長曽根町720-1 スギ薬局新金岡店 2F
URL: https://shinkana-cl.com/

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