クリニックブログ
Blog
Blog
平日の午後、診療の合間を縫って地下鉄で会場へ向かいました。初日は雨、二日目は強い日差しと傘が手放せない天気で、スーツ姿の方が行き交うオフィス街を歩きながら、会場到着を前に早くも汗ばむほどでした。
会場は大阪国際会議場とリーガロイヤルホテル中之島の2拠点で行われました(入り口の写真ですが、多くの人が写り込んでしまった都合上、AIにて修正をかけています)


会期のうち平日2日間はアジア糖尿病学会(AASD2026)も同時開催されており、会場では英語のプレゼンテーションが飛び交い、海外の先生方も多数参加されていました。発表の現場特有の(熱気と緊張感)に包まれた、非常に刺激的な空間でした。今回の学会を通じて、これからの糖尿病治療の「大きな変化」を実感するセッションに多数参加することができました。専門的なお話を含みますが、要点を以下1)〜3)に絞り、お伝えします。
現在主流となっている糖尿病治療薬のうち、GLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬などには、単に血糖値を下げるだけでない「心臓や腎臓を守る(心/腎保護作用)」という大きな特性を持っています。
→当学会でも「糖尿病のない人と同じように健康で長生きし、生活の質(QOL)を保つためにどうアプローチをするか」という、一歩進んだ議論が非常に活発に行われていました。
処方薬により体重が減る際、「どのように体重が減るのか」が今、医療現場で大きなトピックになっています。例えば、(強力に脂肪を燃焼させる)薬剤がある一方、体内の(水分が抜けやすい)薬剤もあります。体重計の数字だけでなく、「筋肉が落ちていないか」「しっかり脂肪が減っているか」といった体組成の変化を見極めることが非常に大切になっています。
→当院でも該当する多くの方に日頃から体組成の測定と説明を行っておりますが、学会でもまさに複数の薬剤をどのように使い「いかに筋肉(除脂肪体重)を維持するか」という課題に多くの医師が関心を寄せていました。
体重が減る際、一定基準を超えて筋力+筋肉量が落ちる「サルコペニア」状態に進むのを防ぐため、「骨格筋(筋肉)」に関するセッションも聴講をしました。ここは他の同時刻に開催されていた他会場と比べても超満員で、関心の高さが伺えました。
→最近の研究では、筋肉はただ体を動かすだけでなく、身体に良い働きをする物質(ホルモンなど)を分泌する立派な「臓器」であることがわかってきています。筋肉の質を保つための基礎研究も大きく進んでおり、今後の治療に活かせるヒントを多く持ち帰ることができました。


もう一つ、発表会場で圧倒的な存在感を放っていたのは「週1回の皮下注射で済むお薬」や、新しく登場した「週1回の皮下注射でよい基礎インスリン製剤」、そして便利な最新デバイス(インスリンを24時間にわたり投与する機器や皮下連続血糖測定機器)に関する発表です。また各企業の協賛ブースでも「毎日のお薬や皮下注射が大変」という患者さん自身の治療負担、介助する人の負担をいかに減らしていくのかという点に注目がおかれており、医療の着実な進化を実感しました。
両日とも午後からの限られた時間ではありましたが、今後の糖尿病診療の方向性を示すような核心的な発表を多数聴講できるタイミングも重なり、大変有意義な時間となりました。「HbA1cの数値を下げる」という時代から一段階上げ「体重含めた管理をし、大切な臓器を守り、治療の負担を減らしていく」時代へ。今回得た最先端の知識を、さっそく明日からの診療として来院される方々へと還元していきたいと思いました。
しんかなクリニック 内科・糖尿病内科
〒591-8025 大阪府堺市北区長曽根町720-1 スギ薬局新金岡店 2F