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雑感)うがい薬の使用に関して

当ホームページをご覧のみなさまへ。
こんにちは。しんかなクリニック 院長の片岡です。
 
クリニックは昨日午後より約1週間のお盆休みを頂いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
来院される方には屋内(クリニック建物内・診療所内)でのマスク着用をお願いしておりますが、そもそも病院の外で夏場の屋外でもマスクをするようになるとは今まで考えもしませんでした。
 
当院のお休み前に「イソジン含有うがい液」の騒ぎもあり、来院された患者さんからも既に何人かから質問を頂きました。
うがいを含む口腔ケアは肺炎を含む多くの感染症予防に有効ですが、乾燥する冬の時期にこそ「うがい液」の助けが必要と個人的には考えております。
 
 

ポビドンヨードの良い点・注意が必要な点

イソジンうがい薬に含まれている「ポビドンヨード」と呼ばれるものは主に昆布やワカメなどに含まれているミネラルの一種の「ヨード」と、毒性を下げ水によく溶けやすくする「ポリビニルピロリドン」という成分から作られている医薬品で、強い殺菌効果を持ちます。歯科医院での抜歯後の処置に際し処方されることもあります。
また濃度が異なりますが、手術室での術前の手指消毒をはじめ、さまざまな部位の手術や処置をする部位の細菌・ウイルス数をゼロに近い状態にするためにも用いられます。
 
 
ただ妊婦さんがこの成分が入ったうがい薬を連用すると、普段の食事で海藻類から摂取する量よりもはるかに多くのヨウ素を吸収し、ヨウ素過剰症を引き起こすことがあります。このヨウ素過剰症、国外は元より過去に国内でも母親が昆布や昆布だしを沢山摂取した結果として結果的に母体内の胎児もヨウ素過剰状態となり、生まれながら甲状腺機能低下症となってしまった例が国内で大勢いたことがわかったという報告から、妊婦でのヨウ素製剤の服用は禁止されています。またヨウ素成分のアレルギーの方も一定の割合でおられます。
 
 
その部位における殺菌力が強力である反面、口の中に残った場合はコーラに匹敵するほどの歯を溶かす力(コーラのpH:2前後に対しイソジンのpH:1.5~3.5と強酸性)を持っているため、適切な濃度に薄めて使用し、イソジンうがいをした後は必ず口を水でゆすぐ必要があります(歯のエナメル質が溶けてボロボロになります)。また歯が茶色に染まりやすいという見た目の問題もあります。
 
最後に
イソジンヨード自体は優れた製剤ですが「使い方」「使う方」によっては問題を起こすこともある医薬品です。医薬品の転売行為は法律で禁止されておりますが、営利的で無くても「心配だから何となく」と必要量以上を買い込む行為や盲目的な使用については、是非とも避けていただければと思います。
 
 
8/12追記)日本甲状腺学会・日本内分泌学会・日本内分泌外科学会の3学会が連名で「新型コロナウイルス感染症へのヨウ素系うがい薬の使用についての見解」を発表し、ヨウ素系うがい薬の頻回使用に注意を促しております。こちらもご一読をお願いします。
 
 
今後とも、しんかなクリニックをどうぞ宜しくお願い致します。
しんかなクリニック 内科・糖尿病内科
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