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実は、1年の中で最も血糖コントロールが難しい時期が冬であるということをご存知でしょうか?当院でご紹介しているデータ(※)によると、12月から1月にかけての生活習慣の影響で、1月〜3月頃にかけてHbA1c(過去1〜2ヶ月の血糖の平均値)が高くなる傾向があります 。
実際のグラフを見ると、冬場に数値がグッと上昇しているのがわかります 。この理由ですが、年末年始特有の過ごし方にあります。クリスマスや忘年会、お正月 さらには新年会・送別会/4月の歓迎会といったイベントが続くと、どうしても「食べ過ぎ」や「運動不足」になりがちですよね。寒くて家から出るのが億劫になり、コタツでテレビやYoutubeを見ながらついお菓子に手が伸びる…という「ながら食べ」も、気づかないうちにカロリーオーバーの一因になります 。
(※:日本人糖尿病患者におけるグリコヘモグロビン値の季節変動:食事と身体活動の影響.Diabetol Int 4 , 173–178 (2013))
「わかってはいるけど、運動は苦手…」 そんな方にこそおすすめしたいのが、シンプルな**「歩行(ウォーキング)」**です。
医学的な目安として、以下の運動が推奨されています。
頻度と時間:1回15〜30分間を1日2回(1日の合計約8,000〜9,000歩)・週に3日以上。
効果: 日常生活の中で身体活動量を「増やすだけ」でも、長く続ければしっかりと効果が出てきます。
「いきなりそんなに歩けない!」 そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。ですが、実は「5,000歩」程度でも体に嬉しい効果があるという報告がつい最近発表されました。
最新の研究によると、アルツハイマー病のリスクがある高齢の方でも、1日5,000〜7,500歩ほど歩いている方は、あまり歩かない方に比べて、記憶力や思考力の低下が約半分に抑えられたそうです。 血糖コントロールの目標(8,000歩以上)には届かなくても、5,000歩ほど歩くことで「脳の健康」は十分に守れる可能性があります。ですので、まずは完璧を目指さず、「座っている時間を減らす」ことから意識してみましょう。運動習慣がない方は、いきなりハードなことをせず、家事の合間に動いたり、簡単な足の曲げ伸ばし(レジスタンス運動)から始めるだけでも大丈夫です。
大切なのは「頑張りすぎないこと」です。 若い世代向けの「肘を曲げてサッサと歩く」ようなストイックなウォーキングは、単調で飽きてしまいがちです。
●マイペースで継続: 景色を楽しんだり、お買い物のついでに少し遠回りをするなどの一工夫をしてみましょう。
●筋トレも一緒に: 余裕があれば、軽い筋トレ(スクワットなど)を組み合わせると、さらに血糖値を下げる効果が期待できます。
●体重チェック: 毎日体重計に乗るだけでも、生活リズムを整える良いきっかけになります 。
ただし、糖尿病の治療中の方で、以下の条件に当てはまる場合は、運動を始める前に必ずご自身の担当医へ相談をしてください。
○(血糖測定器やフリースタイルリブレで確認できる)空腹時の血糖値が250mg/dl以上
○尿ケトン体が陽性である
○眼底出血や腎不全・心疾患の治療が現在進行中である
○足に傷や感染症がある、など
自己判断で無理をすると、かえって体調を悪化させてしまうことがあります。まずは診察室で「運動しても大丈夫でしょうか?」とお声がけください。
「野菜から先に食べる」「アルコールは量を決める」といった食事の工夫と合わせ、まずは「今より少しだけ多く動く/歩いてみる」事から始めてみませんか? 体を動かすことは、血糖/体重管理だけでなく、気分のリフレッシュにもつながります 。1年を健康に過ごせるよう、私たちと一緒に寒い時期の生活習慣を振り返ってみましょう 。
今後とも、しんかなクリニックをどうぞ宜しくお願い致します。
しんかなクリニック 内科・糖尿病内科
〒591-8025 大阪府堺市北区長曽根町720-1 スギ薬局新金岡店 2F